好景気の時も、不景気の時も淡々と一定額を積み立てていけば必ず利益が得られる。
長期投資は間違いないというようなことが必ず言われている。
しかし、実際の投資信託は元本保証のないものなのだから、資産がマイナスになってしまうこともあるのでは?
投資信託で長期つみたてをしたと仮定して、実際に計算してみた。
目次
基準価額変動のパターン別に損益を計算する
前提条件
つみたてNISAを想定し、前提として次の条件を定める。
- 運用期間は20年
- 毎月1万円を積立
- 分配金は考慮しない
基準価額10年間上昇、10年間下落のパターン
青線:評価額。購入した口数と投資信託の時価から求めたもの。
橙線:累積購入金額。毎月1万円を積立た累計額。20年間で240万円になる。
簡単なグラフの説明だが、青線が橙線の上にあれば利益が出ている。
赤線の基準価額が上昇している期間は、利益が出ているが、基準価額が下落すると青線の傾きが小さくなり途中で橙線を割り込んでしまう。これは損失が生じたことになる。
長期の投資でもこういったパターンになれば損失が発生する。
もう少し見ていくが、グラフを見ると後半は評価額の傾きが小さくなっている。これは資産としての評価額が下がったということになる。
基準価額の下落時には買うということは、価値が低いものを買うということなので、評価額が下がるのは当然の結果だろう。
基準価額10年間下落、10年間上昇のパターン
先ほどとは逆のパターン。
この例では最終的に90万円以上の利益が得られているが、必ずこのパターンで利益が出ると考えてはいけない。
正確には、前半で累計購入金額を割ってしまった評価額が、再び購入金額を上回れるだけの基準価額の上昇があれば利益を得られるということである。
気を付けないといけない。
基準価額10年間下落、その後変化なしのパターン
もし、基準価額がある価格まで下げた後、そのまま変化がなければどうなるか?
青線の評価額と橙線の累積購入金額は、平行線のまま推移する。
この間は損益に変化はない。
基準価額が上昇・下落とお互かなければ、積立額は増えていくが、損益は何も変化しない。
これは地味に重要なことではないかと思う。
基準価額にほとんど動きがないならば、その時点での損失があるのならば、その損失が確定してしまったようなものではないだろうか。
基準価額下落から少しだけ戻ったパターン
基準価額が落ち込み、その後少しだけ回復したパターンを見てみる。
この例では、基準価額は始めに下落し、そこをキープ。最終的には少しだけ上昇したが、購入開始時の基準価格を大きく下回っている。
しかし、これでも若干ながら利益が出ている。
ただし、このパターンなら必ず利益が出るわけではない。
今度のグラフは基準価額の下落の期間をずらしてみた。後の条件は変えていないが、今度は評価額の青線は累積購入金額を上回れなかった。
結局は、条件の設定によって利益が出るか出ないかが決まる。
安く買って高く売る。この原則に従うしかないようだ。
まとめ
結局のところ未来の値動きがどうなるかなどわからないのだが、こういうパターンのときは損益はどうなるか?といつでも考えられるようになれればいいなと思う。